世界で大人気のワイン生産国ニュージーランド(以下NZ)。日本ではまだあまり存在感が大きくない生産国なので、いまいちピンとこない方が多いかもしれません。でもいざ世界を見渡せば、ワインの世界で重要な国といわれるイギリス、アメリカでTOP3に入る輸入量を誇り、当たり前のようにレストランではオンリストされているという人気ワインです。ということは、いずれ日本にもNZワインブームがくるはず!そうとなったら、今のうちから注目しておきたいですよね。

ということで、さっそくNZワインを楽しんじゃいましょう。NZワインが世界で大人気の理由が実感できるおすすめワイン6本をご紹介していきます。教えてくれたのは、前編に引き続きNZワインが楽しめる飲食店『ボクモ』のオーナーで、NZワイン専門オンラインショップ『ボクモワイン』を運営されている岩須直紀さん。それではワインの紹介を…といきたいところですが、私たちにはまだちょっと馴染みが薄いワイン。NZワインの選び方のポイントを先にお伝えしておきましょう!

まずは代表品種ソーヴィニヨン・ブランから

岩須さん「NZワインの個性を知ってもらうには、なんと言ってもNZワインを象徴する品種、ソーヴィニヨン・ブランから試してほしいです。世界でNZワインが評価されるキッカケとなった品種で、今ではNZワインの全生産量の75%以上をこの品種が占めています。他に類を見ない弾けるようなフルーツ感に、きっと驚いていただけることでしょう。」

なかでもマールボロ産のものを!

岩須さん「そしてソーヴィニヨン・ブランのなかでも、マールボロ地方のものから飲んでほしいです。マールボロはソーヴィニヨン・ブランの一大産地。NZの約70%のワインがマールボロでつくられています。ブドウ栽培に適した気候が揃い、非常に果実味豊かなワインが生まれるので、よりNZの個性を感じていただきやすいと思います。」

お値段は2,000円以上のものがおすすめ

岩須さん「NZのワイナリーの9割以上がブティックワイナリーです。そのため、NZワインには1,000円以下のワインがほとんどありません。お値打ちなのは1,500〜2,000円ぐらいのワインですが、ブティックワイナリーの個性や品質の良さが感じられ、NZワインの魅力を十分に楽しめるのは2,000円を超えたものに多い印象です。ぜひ、2,000円以上のものを手に取ってみてくださいね。」 

それでは、選び方のポイントをなぞって、おすすめワインを紹介していきましょう。まずはソーヴィニヨン・ブランの1本を。産地はマールボロです!

 

①これぞマールボロのソーヴィニヨン・ブランど真ん中

アンツフィールド シングルヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン 2020

マールボロ産のソーヴィニヨン・ブランらしさが存分に楽しめる1本。生産者は「アンツフィールドエステート」。マールボロで歴史が古いワイナリーのひとつですが、2000年代に現代的なワイナリーへと生まれ変わりました。

岩須さん「これぞマールボロのソーヴィニヨン・ブランという香りと味わい。グレープフルーツ、パッションフルーツ、ドライハーブのニュアンスが見事に調和していて、野菜のマリネ、カルパッチョ、チキンソテーなどによく合います。ワインを柑橘系のドレッシングだと思ってペアリングを楽しんでみてくださいね。」


②次はソーヴィニヨン・ブランのまた違った味わいを

インヴィーヴォ X サラ・ジェシカ・パーカー ソーヴィニヨン・ブラン 2021

岩須さん「こちらはパッションフルーツのような強い香りが特徴の1本。コクがあり、①のソーヴィニヨン・ブランとはまた違った香りと味わいが楽しめます。」

ハリウッド女優のサラ・ジェシカ・パーカーがワイン造りに加わった話題のワイン。後味がやや辛口なので、食事に合わせやすい1本です。

岩須さん「僕がやっているお店『ボクモ』でも人気があります。リピーターがとても多いワインです。」

 

③NZで大事にされるもうひとつの白ワイン品種

ミーシャズヴィンヤード “ドレス・サークル” ピノ・グリ 2019

NZの白ワイン品種の中で、2番目(年によっては3番目)の生産量を誇るピノ・グリ。NZでは非常に大事にされている品種で、こちらはピノ・グリの旨味がよくわかる1本です。

岩須さん「コクがしっかりした味わいが特徴で、食事の最初から最後まで合わせられるオールラウンダーです。」

セントラル・オタゴ地方の新進気鋭のワイナリーで、彼らがつくるピノ・ノワールやアロマティックな白ワインは専門家にも高く評価されています。家に1本ストックしておきたいワインです。


④日本食との相性がわかる。出汁と合う1本

グリーンソングス ペットナット ザ・クリフス 2020

岩須さん「NZではたくさんの日本人醸造家が活躍されていて、なかでもこのワインの生産者である小山浩平さんはチャレンジングなワインをつくることで知られています。弱発砲の自然派スパークリングワインなのですが、日本食の出汁にとってもよく合うんですよ。」

ペットナット(ペティヤン・ナチュレル)と呼ばれる、野生酵母で発酵させ瓶の中に泡を閉じ込める手法でつくられた自然派スパークリングで、親しみやすい果実の味わいが特徴です。日本食との相性を体感してもらうのにぴったりの1本です。

 

⑤世界で名を馳せるNZトップクラスワイナリーの味わいを

フェルトンロード ピノ・ノワール バノックバーン 2018

白ワインが中心のNZですが、ピノ・ノワールも世界的に注目されている品種です。セントラル・オタゴ地方は、『世界三大ピノ・ノワール産地』としてワイン愛好家たちを魅了しています。生産者であるフェルトン ロードはセントラル・オタゴのピノ・ノワールを世界に知らしめたNZトップクラスのワイナリー。環境やブドウになるべく負荷をかけないワインづくりをモットーに、グラヴィティ・フローシステム(なるべくポンプなどを使わず自然な重力によってワイン製造を行う仕組み)を採用しています。

岩須さん「NZ最高峰のピノ・ノワールのひとつ。バノックバーンというサブリージョンが名前に入った1本で、フェルトン ロードのピノ・ノワールの中では比較的手に取りやすい価格のワインです。凝縮したやさしい果実味が楽しめますよ。長期熟成も可能です。NZのピノ・ノワールの実力を味わってみてくださいね。」

 

⑥手仕事を大切にしたワイナリーの地味深いピノ・ノワール

マヒ マールボロ ピノ・ノワール 2018

岩須さん「オーナーの大らかで親しみやすい人柄がそのままワインに反映されたような、僕が大好きなワイナリーの1本です。」

近代的、合理的なワイナリーが多いNZですが、なかには手作りの味わいを大切にしたワイナリーもあり、このワインの生産者マヒはそのひとつ。「手摘みによる収穫」、「野生酵母による発酵」、「ノンフィルター」にこだわった自然なワインづくりをモットーにしています。

岩須さん「伝統的なつくり方を大切にしていますが、温度管理にはコンピューターを駆使するなどテクノロジーを融合させていて、ワイナリーは非常に衛生的。複雑で奥行きのあるヨーロッパスタイル寄りのピノ・ノワールなので、ブルゴーニュの味わいが好きな方にもおすすめです。」

 

ブーム先取りでNZワインを楽しんじゃいましょう

日本ではまだまだ見かけることが少ないNZワインですが、ここ最近になってNZワインを取り扱うお店も増えてきたように思います。また、今回お話をうかがった岩須さんが運営する『ボクモワイン』をはじめ、オンラインショップで買えるワインもありますので、ぜひNZワインを実際に味わってみてくださいね。一度試したらそのフルーティさにハマるかもしれません。『ボクモワイン』では、はじめての人向けのワインセットや岩須さんに予算別におまかせでNZワインを選んでもらえるセットも販売しているので気になった方はぜひチェックしてみてください!


前編:世界で大流行!ニュージーランドワインを先取りして楽しんじゃおう

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